「口元美人」

Kアプローチ コラム「私の日本語おかしい?」友人の中国人女性が私に尋ねてきました。彼女は日本に住んで3年。日本の大学で学び企業にも就職していて、日本語は堪能です。でも彼女には、日本語の発音がとても難しいのだそうです。

口元に注意してみると、その理由がわかりました。中国語を話す時には、口を縦に開けることが少なくて、「イの口型」で発音することがほとんどです。唇を引いた状態で、「そうですね」と言ってみて下さい。いかがですか?

「ウ」の発音が上手く出ないので、聞いていて違和感がありますよね。そこで、彼女に「う・く・す・つ・ぬ」と「ウの口」を練習してもらったところ、日本語の発音にずいぶん近づきました。
話をする時に、相手の口元に注目してみてください。よくしゃべる人かどうかは、唇の厚さや形で、また苦手な発音は、歯並びや口の開け方を見ると、おおよその見当がつきます。

おしゃべりな人は、唇とあごを良く使って鍛えているせいか、唇が薄くて、あごがしっかり張っています。
唇を意識して引き締める。これは「だらしない話し方」を直すトレーニングにも効果があります。口元が緩んでいると、「そうですかぁ~」「そうでーすぅ」と締りのない話し方になってしまいます。実際に、だらしない話し方を気にしていた方に唇を引き締めて話すようにアドバイスしたところ、とても効果がありました。

みなさん、唇をぎゅっと引き締めてみましょう!「口元美人」「話し方美人」になれますよ。

新潟日報夕刊「晴雨計」寄稿(平成18年4月12日)
※一部書き直しています。